NO-116
笛を吹かないゲームをしたい。
・・・上川 徹
2006年度、ドイツで行われるサッカーのワールドカップで、
日本人としてレフリーに選任された上川氏の言葉です。
有り得ない非現実なコメントですが、彼にとっては夢でしょう。
よく言われるように、夢は実現できないから夢であり、
だからと言って夢見ることを非現実的と諦める必要はないのです。
絶対不可能とは言い切れないだけに達成を目指して欲しいです。
レフリ−として、ゲームに集中し選手と空気を共有したいと言う彼の心根は、
素敵と言うより羨ましさを感じます。レフリー冥利に尽きると思います。
テニスも、試合が終了すると選手は主審に対して、
敬意を表しご苦労さまとの思いで握手をします。
上川氏も両チームの選手から握手を求められるのが嬉しいとのことでした。
審判の判定は絶対ですが、
それはルールを遵守するとの思いが強いからではないでしょうか。
しかし、人間のすること誤審は止むを得ないことでもあるのです。
その上で握手を求められるのは、
偏りのない判定をしていると言う自覚があるからでしょう。
前に社会人大会で誤審に憤り最後の握手を拒否した選手を紹介しました。
どのような事態を生じても、
それぞれの持分を考えればそのような態度が認められるものではなく、
互いの立場を認識すればどれほど失礼な態度かは歴然としています。
笛を吹かない試合は、単純な表現をすれば、
双方にラフプレーがないと言う証左でしょう。
これほどレフリーとして気持ちの良い試合はありません。
いつもその気持ちを忘れず精進下さるようお願いします。
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