NO-44
基礎が完成しなければ、その先の応用はありえない。
・・・ある指導者の言葉から
早く上手になりたい、これはどのスポーツを志す人にも当てはまる同じ思いでは
ないでしょうか?それにつけこむように即効法が氾濫しています。
確かに基礎ほど退屈なものはありません。それは変化がないからです。
それだけに基礎の繰り返し指導を受けていて、
果たして自分は上手になるのだろうかと疑問を持ちます。
しかし、応用は基礎がベースになるからこそ、より秀でたものになるのです。
変化は基礎があるから可能となるのです。
これを指導者がしっかり身に付けておかないと、選手は方向を間違えることになります。
名選手の言葉に感動するのも、それは経験を踏まえている発言であるからです。
同じように縁の下の力持ち的存在である指導者の言葉にも変わらぬ重みがあるのです。
日本人の肩書重視がどこから始まったのか分かりませんが、
肩書きにはとても弱い一面を見ることがあります。
だから余計にそれを自分の宣伝に使おうとして披露するのでしょう。
その結果が有名選手の言葉や教えを金科玉条として崇めるようになるのです。
人の教えに経験値を加えて昇華させれば、
素晴らしい理論が生まれるのじゃないかと思います。
そうではなく、その教えを鵜呑みにしては、
自覚のない選手を育てることにならないでしょうか。
有名選手の言葉どおりに、教えどおりにしていれば、
いつかきっと上手になると錯覚するのです。
その言葉は経験を踏まえているから重みもあるし、役立つものがあるのは確かです。
しかし、自分はあくまでも自分ですから、
それを忘れてしまっては自分は育たないことを自覚しないといけないのです。
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