NO-50
心・眼・足。
・・・中条流秘伝 武道極意
中条流は、禅の影響を受け闘いを好まないとされています。
その思想はまず第一に心の修練があり、
人を害し人を悩ます剣術を目指さないと言われています。
一に心・二に眼・三に足という風に、剣道の極意は心の工夫であり、
まずは精神の練磨が大切であると言っているのです。
眼は洞察力を意味しており、相手の動きを心眼で視手、その上で心を平静にし、
相手の動きにつれ自分も動く(足)のが良いという意味になります。
相手に打たれるのは、自分に迷いがあるからであり、打とうとするのも迷いである、
打たれず打たず、平然と心を構えるとき相手に隙が生まれる。
そのときに勝つわけで、力は必要ないというのです。
千葉周作は、「心・眼・足」を「心・気・力」と読み替えています。
「心」とは、敵を広く全体に見ることであり、
闘いの場と時間の流れの中で相手を大局的に見ることを指していると教えています。
「気」は、ここを打とう、あそこを突こうと、大局的な流れの中で見据えることを指し、
「力」とは、その気の思うところを自在に行うものを言い、
これらは三位一体となって作用しないと勝つことは出来ないし、
そのためには同じレベルで動くようになるまで
会得しなければならないと締め括っているのです。
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