NO-51
構えありて、構えなし。
・・・宮本 武蔵
宮本武蔵は、剣を手にするからには、敵を斬るのが本来の目的であり、
敵が斬りつける剣を受けたりはねたりするのは、
すべて敵を斬るための手段でしかないと言う考え方を持っていたと思われます。
これは、敵の勢いに負け守勢に入る恐ろしさを戒めたものと言われています。
本来の目的を忘れることなく、
その目的遂行のために意思を強く持って全うしなければならないと言う意味のようです。
またこの言葉は、型ばかりに拘っていると、心も身体を硬くなり、
いざと言うとき充分に力を発揮することが出来ない。
特に「構えなし」とは、間髪を入れぬ行動をするために自在の心を持つことであり、
それにより、相手の本質も見えてくると諭しているのでしょう。
スポーツも同じで、臨機応変の動き(瞬発力に似た動き)をするには基本があってであり、
やみくもに動いて出来るものではありません。
形に囚われながら、形に拘らないと言う禅問答のようですが、人間が生身の身体であり、
メンタル面の重要性が問われるものではないでしょうか?
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