NO-52
一時の勝ちは、終身の勝ちにはあらず。
・・・松浦 静山
この言葉に続くものは
「たとえその人勝ちたりとも、これ終身の勝ちと為すすべからず」とあります。
これは彼の武道に対する「剣は平心の術なり」に現され、
人格は高潔でかつ強さをひけらかさない人でなければならないとしているのです。
これを体得した人こそ免許皆伝に値すると述べています。
ある人は他流試合と言って人と対決し、技を競い、だれそれに勝ったと、
自分の技術が高いと思い、相手に本当に勝ったように思ってしまうものです。
しかし一時の勝ちを本当の勝ちと思うのは偽りであり、
生涯にわたっての勝ちを志すのが本当ではないでしょうか?
一時の勝ちを誇り自慢するのは、一時たりと言えども、
向上心や努力を怠ることになりかねません。
相手が負けを自覚し成長するなら次の勝負では判断が付かないでしょう。
チャンピオンがいつまでもチャンピオンでいることが出来ないのが現実なのです。
発明王のエジソンが次のような言葉を残しています。
「成功とは結果で計るべきではない。それに費やした努力の総計で計るべきである」
一時の勝ちにおごらず、常に努力・精進を続け、
生涯にわたってよい結果をもたらすように心すべきだと思います。
これはまた、一時の負けに拘らず勇気を持って頂上を目指せと言う裏返しでもあるのです。
|