NO-60
武の道においては点を起とし、円を終わりとす。
線はこれに付随するものなり。
・・・大山 倍達
名人・達人の域に入った武芸者は、その究極において共通の心境を持つようです。
柔道の三船十段は、小さなものが大を破る秘策として円の力学理論を創案したのです。
円運動とは、始まりが終わりに繋がる循環運動であり、
膠着した状況を乗り越える方法として、最初の状況に立ち返ることです。
大山氏も最初は直線的に前え進み先手を取ること目指していました。
しかし、中国拳法の使い手と対戦し敗戦したとき、
「あなたの空手は力強いが限界がある。直線的で自由が無い。
中国拳法の極意は点を中心として円を描くのです」と教えられたそうです。
円運動については、それぞれの考え方があると思われますが、
今ひとつの考え方として、常に原点に立ち返り、
初心の純粋な気持ちを持ち続ける大切さを教えてくれているような気がします。
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