NO-64
一心一刀。
・・・佐々木小次郎
巌流の流祖佐々木小次郎は、宮本武蔵の挑戦を受けて敗戦しました。
小次郎については伝説の域を出ず明らかではありません。
ただ、武蔵は小次郎のツバメ返しを研究し、小次郎の太刀よりも長い木刀を用意したのです。
勝つための方法論の一つではないでしょうか
さらに試合の刻限にわざと遅れ、若く天才的な剣士小次郎の怒りを誘いました。
小次郎の技量を、武蔵のはかりごとが制したとも言えるのです。
「一心一刀」は一瞬の技に勝敗の命運を賭けるものです。
天才剣士が最高の秘技を生み出せば、これを絶対のものと思い込み、
その挙句がこの秘技に頼ります。そうなるとそれ以上の向上はないのです。
武蔵は、小次郎とは別に、勝負に内面的意味を求める努力型の人間でした。
自分の技術を絶対視せず、不明なところがあり、
まだ向上すべきところがあると常に考えていました。
まだまだ、技術に心得ぬ状態があると思い、試合に当たって研究し、知略を尽くし、
向上を求めたから「勝った」のではないでしょうか。
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