NO-75
心の底をぬくということ
・・・宮本 武蔵
武蔵の解釈は、勝負では上位のものが勝つのは当然と思われているが、
その上位の者の心が乱れることで負けることもある。
それは心の底が見抜かれた状態になるからで、
その心を排除するべく努めなければならない。と看破しているのです。
では、これを排除するにはどのようにすべきなのか?武蔵は続けています。
心の乱れで戦況が上手くいかなくなったら、
自分の弱気を振りすてて物事を新しく始める気持ちになり、
自分の勢いをとり戻すことが大切であると説いています。
「気持ちを新たにする」こと、闘いが自分に傾いていないと見たときは、
相手よりも早く気持ちを切り替え、自分が有利な立場を取り、
勝ちに結びつけるようにしなければならない。
これらはすべての兵法に当てはまる大事なことである。とも言っています。
闘いが混沌とし勝機を見出せないときは、自分を弱い立場に置かないで、
逆に相手の弱点を目ざとく見つけ圧倒してゆくのです。
繰り返せば自分のマイナスを見ずに前進し、状況を厳しく分析・判断しチャンスを掴む、
何物にも頼らず、自分の信念のまま闘いを全うしなければ勝機は遠のくばかりです。
すなわち、自分の中にくすぶっている弱気をそのままにしておくと、
やがては大きな敗北に繋がってしまいます。
闘いを前にして気弱な気持ちを持っていては敗北するのは必至なのです。
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