NO-84
一番良いのは勝つこと、次に良いのは負けることだ。
・・・ジミー・コナーズ
当時、マッケンローと実力・人気とも双璧と言われたコナーズは、
プレーヤーの憧れの的でした。暴れん坊のマッケンローに対して、
物静かな感じのコナーズは好きな方も多かったようです。
しかし、テニスのスタイルは全く異なっていました。
基本に忠実なスタイルを崩さなかったコナーズに対して、
天才肌のマッケンローは充分に若者を惹きつけていました。
マッケンローは、勝負に対する執念よりプレーへの完成度を求めていたようです。
一方コナーズは飽くなき勝負への執着心を持ち、その迫力は鬼気迫るものがありました。
冒頭の言葉も、コナーズの気持ちをこれ以上表すものはないでしょう。
次にと言う言葉の中に、勝てなかった悔しさが滲み出ているように思われます。
コナーズに次はなかったと思われますが、勝つことだけでは人間は進歩しない。
負けることを甘受するから、更なる飛躍を求めるのだと考えたのではないでしょうか。
そこに、勝負への執着心を見ることが出来るように思われます。
何度となく訪れたピンチを、自力で跳ね除け勝利への栄光を勝ち取っていった
コナーズはメンタル面の権化とも言えるでしょう。
それにしても、コナーズの粘り腰は驚嘆するしかないものでした。
それは下半身の強靭さにあったと思われます。
マッケンローが華麗であっただけに確実なストロークは玄人受けがあったようです。
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