06/4/20
《バランスー11》
何度も書きましたが、バランスの良いテニスは見ていて気持ちが良いものです。
流れるような動きには快いものを感じるのではないでしょうか。
このバランスも、こうですよと言うものはないのです。その人それぞれで良いのです。
自分なりのものを早く見つけて欲しいのです。
最近はフォア・バックともに、シングルハンドが増えてきていますが、
まだまだダブルハンドがパワーを引き出すためでしょうか多いようです。
ですから、全体のバランスを考えると、若干窮屈な感じが否めません。
それはバランスから引き出すボールよりも、パワーに魅力を感じるからでしょう。
このように、自分の中でバランスを取れればそれで良いのです。
人にないものを早く見つけ、自分のものにすることが大事なのです。
初心者の方は、パワーテニスの限界を知り、逸早くシングルハンドでの、
フレキシブルなテニスを考えて欲しいです。世界のトップに挑戦するためにです。
トップクラスの選手が放つ、コートラインを狙ったクロス・ストレートの攻撃に
打ち勝つには、同じようなスタイルで勝つことは殆ど不可能です。
要するに、自分の長所を見出して、更に努力して磨き、
短所をあまり意識しないようにするのです。長所を伸ばすことで短所を隠すのです。
06/4/10
《バランスー11》
何度も書いてきましたように、バランスの良いフォームが与える印象は、
とても爽やかなものを感じます。
出来るだけプロのフォームを参考にしてイメージしてください。
モレスモとヒンギスの試合を見ました。
女性らしくないモレスモと女性らしいヒンギスの、両極端なフォームを見ていると
それぞれのバランスのあり方を見ることが出来ます。
二人の長いラリーは見事でした。左右への振りの中からストレートへの切替し、
これこそバランスの良いフォームから出されるのです。
パワフルなストロークで、クロス・ストレートと打ち分けながら続けられる光景は、
一種の芸術品の感をもたらせるほどの見事さを示してくれます。
殆どアンフォースドエラーをしないストロークの応酬には、
その素晴らしさに驚嘆するしかない見事さです。
中でもモレスモのバックハンドは更に引き付けてくれました。
そのバックハンドは、ドライブとスライスの併用で狙ったコースや
相手をかわすたびの選択によって対応を変えていました。
これもバランスの良いストロークから生れるものです。
さて、この試合で感じたことことですが、
サービスゲームは何が何でも勝ち取ると言う姿勢でした。
ですから、緩急自在なゲーム運びにそれが見受けられました。
特に、このゲームでモレスモが、長いラリーの上で放ったドロップショットは、
ひとつのリズムの中で行われただけあって見事に決まりました。思わず唸っていました。
同じレベルで競技をする場合の、心得を教えて貰った気がしたのです。
相手の意表をつくことの必要性を感じました。
通常の方法では駄目だと言うことでしょう。
また、サービスでは、ボディアタックが割りと多いんだなと思いました。
やはり、体重が充分に乗っかったボールのパワーを思うと対抗策として必要でしょう。
06/4/1
《バランスー10》
先日、子供達を教えている風景を目にしました。
自分の身体とあまり変わらないのではないか、
と思うほど大きなラケットを振りまわしていました。
元気な姿で楽しそうに、プレーしている彼等を見ているのは良いものです。
でも、その姿を追いかけるうちに、これで良いのかなと不安が横切りました。
バランス感覚を、身体に根付けるのは容易でははありません。
自然にボールに対応できて初めて根付くと言えるのです。
だから、バランスの良いスイングができるのです。
いまの練習方法で、それが可能なのだろうかと、つい思ってしまいます。
一番の疑問点はハードコートでの練習であることです。
基礎体力が付くまでは良くないと思います。
何故なら、バランスを保つ姿勢は、足の動きに余裕がないと出来ないからです。
上級者のハードコートでのフットワークで何かに気づきませんか?
そうです。「キュ・キュ」とシューズがサーフェイスとの接触で
鳴る音がしているはずです。ここまでになれば問題はないのですが、簡単には出来ません。
ハードコートでは、シューズを滑らせないのです。
急ブレーキが掛かるのです。それは、バランスを崩す要因となります。
その結果は決して良くないのです。
子供達に、バランス感覚を身体に沁み込ませるためには、
クレーコートで練習させるべきと思います。
膝頭に血が滲むようなフットワーク練習が必要と思うのです。
この練習方法であれば、下半身を充分に使ったスイングが可能となります。
それを習得すればハードコートの試合でもバランスを崩すことはないのです。
最初からのハードコート練習は、手打ちだけのストローク練習となり、
無理に身体を止めようとするため、膝関節を痛めることが考えられます。
卑近な例ですが、人工芝のため、
プロ野球選手の下半身の故障が増加したと聞いています。
同じものとは断言できませんが、近いものがあるように思われます。
06/3/20
《バランスー10》
何度も云ってきましたように、テニスの真髄を語るとき、
ローズウォールやエナン・アルデンヌが出てきます。
それはそのスタイルが安定しているからです。
安定感を与えるのはバランスが良いからです。
いまの若手のスタイルに共通するハードヒットのスタイルに懸念するのは、
力任せでバランスを崩すからです。
そのバランスを安定させるのはフットワークです。
どのようなボールに対しても、バランスよく対応させるのは紛れもなくフットワークなのです。
ドバイオープンの決勝戦で、シャラポアとアルデンヌの試合を見ましたが、
劣勢を挽回して優勝したアルデンヌの安定感は抜群で安心して観戦出来ました。
どれだけ走らされても、しっかりとしたフットワークは下半身を安定させ、
それがあるのに一方では、ベースラインに構えてボールを迎えその場をキープしていました。
バランスの中で大切なことは、不安定感ベースになっていることです。
それをいかにして安定感に変化させるかなのです。
不安定感をベースとして安定感を見いだして欲しいのです。
いろいろと話が混乱しましたが、実際にテニスをしながら考えて頂ければ、
なるほどなと思われるのではないかと期待しています。
中々言葉通りには行きませんが意識することも必要です。
06/3/10
《バランスー9》
バランスの良さから考えて世界最高のプレヤーは、一人に絞るのは難しいですね。
私見では、男子はローズウォールとマッケンロー、
女子ではコナリーとエバートでしょうか?
勿論、個人的な感覚での判断ですから、他の選手を推薦する方もあるでしょう。
四人は実際にプレーを目にした上での選択であり、
そのバランスの良さには感服しています。
マッケンローの腕白振りを別にすれば、他の三人は冷静沈着な試合態度で、
そのプレー振りには見ていて、思わず襟を正すような緊迫感があったことを記憶しています。
特に、マッケンローのプレーは、どちらかと言えば型破りの雰囲気を持っていました。
他の三人が、オーソドックスなプレーヤーであるのに比べて対照的でした。
決して大柄ではないマッケンローが、世界を制覇したのは
類稀な身体能力によるものと思われます。
曲芸師のようなラケット捌きは、惚れ惚れするほど魅力的でした。
身体は無闇と動き回っていますが、ラケットはしっかりボールに対応し
見事に芯で捕まえています。
これがバランスの良さと相俟って観客に感動を与えるものと思われます。
バランス感覚は、身体の動きだけではなく、心のバランスもあります。
メンタル面では、クリス・エバートのアイスドールと言われたスタイルは
マナーの良さをそのまま伝えてくれました。
試合で負ける理由は、心か身体のバランスを崩されているからだと思います。
練習の時からそれらを踏まえて、自らにその鍛錬を課さなければ
優秀な選手にはなり得ないのです。
06/3/1
《バランスー8》
トリノの各選手の演技やプレーを見ていて、一番感心したのは
バランスの取り方でした。選手のポーズの安定感はトップになるほど揺るぎない
素晴らしさを感じさせられました。
結局、そのバランスを自分のものにするには、練習しかないと痛感しました。
やはりバランスは突然に出てくるものではないと思いました。
地道な歩みの中に生れるものだと思います。
分秒の争いの中で、バランスを整えタイミングを取って演技する姿に
言い知れぬ感動を覚えたのは多くの観客ではないかと思われます。
その陰にある血の滲むような練習が思いやられます。
各競技を見ていても、スティックか両手フリーと言うように
バランスを取るための方法はあるようです。
これらがなかったら表現力は極端に落ちてしまうでしょう。
テニスでも最近はダブルハンドのプレーが目立ちます。
いずれが是か非かは本人の選択ですから一概には言えません。
しかし、バランスの問題から見ると窮屈さは否めません。
スケールの大きなテニスを求めるなら、
両手を充分に使ったスイングがベターだと思われます。
しかし、それだけそれを駆使する難しさは避けられません。
話は変わりますが、先日TVを見ていましたら、他国へ行き綱渡りの場面があり、
本人は渡るのに3日かかったというのに、他国の相手は3時間ほどで渡っていました。
身体能力の違いといえばそれまででしょうが、
やはりメンタル面のウエイトが高いのではないかと思われます。
渡る動作に集中するだけの場合と、どうすれば良いのかをまず考えるその違いでしょうか?
考えて行動するのと、咄嗟に身体が動く行動は、その内容が全く違います。
戦略は考えなければ駄目ですが、戦術は現場での行動ですから、
咄嗟の動きが要求されます。一寸乱暴な考えでしょうか?
06/2/11
《バランスー6》
またまた東レの話になりますが、今回の試合を見ていて感じたのは、
バランスの大切さと同時に、タイミングとの関連でした。
バランスを補う大事なものと言う認識です。
シャラポアは、エナンやヒンギスと違い、
女性選手の中ではパワーで勝負する範疇と思っています。
それはフォアのスイングでラケットのフォロースルーが頭の上に来ています。
それも、長いフォワードスイングがあって来るのではなく、
インパクトから瞬間的に頭上まできます。
これはリストワークを使いこなせないと先ず無理なスタイルです。
それだけに、このスイングで身体のバランスが崩れると、
ボールはとてつもない方向へ飛んでゆきます。
このバランスとタイミングがうまく合致して初めて素晴らしいボールが行くのです。
全体のフォームを観察すると、
決して流麗な素晴らしいフォームとはお世辞にも言えません。
軽量のラケットだから出来る技ではないでしょうか。
以前のラケットではリストをすぐ痛めるでしょう。
と言うより、リストを使うことが不可能だと思います。
それが出来る、現在の若い選手達にはその変化は喜ばしいでしょう。
それだけに、エナンやヒンギスのテニスを求めるのです。
実際に、シャラポアのフォームを見てあれを習得したいと、
何人の方が思うでしょうか?勿論体格的な面もあるでしょうが、
以前では絶対に修正されていたフォームです。
彼女の素晴らしさは格別です。自分を充分に知っていてそれを見事に開花させています。
日本の選手の中でも同じレベルの誕生が急がれますが、
自分を知ることが絶対に必要ではないでしょうか?
東レで感じた、バランス感覚とタイミング感覚を、
同じレベルで考えてみたいと思っています。
今回のヒンギスの活躍を、日本選手も身近な事実と捕らえて欲しいです。
06/2/2
《バランスー5》
バランスは均衡・平衡の意味で、サーカスで披露される綱渡りの曲芸が
よく対象となります。両手を地面に対して平行とし、身体の傾きを防いでいます。
最初はロープの上ではなく地面でやるそうです。
地面なら大丈夫だろうと思われますか?
それは精神面での緊迫感がないだけで、一直線上を歩くのは結構難しいものです。
恐らく、地面は弛みが取れないので逆に難しいと思います。
空中に浮けば、ロープの弛みでバランスが取りやすくなるのではないかと思われます。
テニスの場合、ロープ上での身体の揺らぎでバランスを取るのではなく、
膝のクッションの使い方で身体の上下動を防いで、
バランスの崩れるのを防いでいるのです。
最近は両手打ちが多くなっていますが、スタイルは個人個人の問題ですから、
こうしなさいと強制はしたくないのです。あくまでも自分の判断が必要なのです。
ただ、一般論として聞かれたなら、両手打ちには反対します。
いろいろな変化でテニスそのものが変わります。だからといって、
すべてがそれに流されてもどうかと思われます。
基本はあくまでも片手打ちだと思います。
初心者にはそのような考え方でコーチすべきです。
その後自分の判断で変更したい希望が有るなら、
その適性を見定めてあげなくてはいけません。
何故それに固執するかの理由ですが、バランスに対する感覚が違うと思うからです。
やはり、片手打ちのバランスをまず習得するべきではないかと思われます。
それが本人のためと判断します。
それほどバランスは大切なポイントなのです。
よく素晴らしい反応に対して天性と言いますが、
それは身体能力の意味でバランスの良いフォームでボールを処理するからなのです。
06/1/20
《バランスー4》
よく片足で立ち、どの程度で身体がふらつくかと言うテストがあります。
スポーツでは、このようなテストは重視しなくて良いのです。
あくまでも身体全体のバランスです。
バランスのよいフォームで打球すると、
意外と力む必要がないほどの力で力強いボールが飛んでゆくのです。
それを早く習得することが技術アップに繋がるのです。
しかし、シングルハンドでの打球が多いテニスでは、
ダブルハンドが常識的な野球やゴルフと違い、
レベルアップへの道は厳しいものがあると思われます。
それは、片手だけに腕力で打球しようとするのです。
初心者の指導で一番気遣うのはこの点です。
これを分って貰えれば、上達はそんなに時間を必要としません。
初心者のスイング練習で、いろいろとポイントがありますが、
今までいけないと言ってきたのは、ラケットを持つ手だけのスイングです。
これは見た目は派手ですが中身はないのです。
それを分って貰うために、インパクトの付近で抵抗を与え、
その時点で反対側の手の力を入れたときと、
入れないときでラケットを押してその力の入れ具合を知って貰います。
これをすると、その理屈については殆ど納得してくれます。
しかし、実際にラリーをするとそれどころではなく、
打つよりラケットへ当てようと必死になります。
これで、変な癖を付けないための方法論が「玉だし」なのです。
変な癖と言うのは、バランスが取れていないフォームであり、
その結果が良いボールにならないいう単純なものです。
06/1/10
《バランスー3》
テニスのフォーム写真を見るのは、殆どプロや世界ランカーに限られています。
それを見て気づくのは、どのような場合も体勢に安定感を感じることです。
身体の軸を中心にして、身体がスムースに回転するように中心軸がしっかりとしています。
それを有効にしているのがバランスではないでしょうか?
このように、バランスはパワーを更に発揮できるためのものです。
力任せだけではないのです。
身体に秘めた力を、その瞬間に引き出すのがバランスなのです。
バランスは鍛えられるものです。赤ん坊が立ち上がろうとするとき、
両手両足をうまく使って立ち上がろうとします。
そのとき顕著なのが両手の動きです。
上下左右に細かく動かしながら、自分の身体を保持しようとしています。
それに耐え切れなくなった時尻餅をついています。
これはバランスを保てなくなるからです。
歩き始めるときも、歩く方向に身体を動かすため同じように両手両足を動かします。
身体は、その動きに対して自然に定めた方向へ動くのです。
このように、子供の頃からバランス感覚を習得するべく、
自分の身体を動かしているのです。天性と言われる部分は、
遺伝的なものも踏まえて若干優れている程度のものです。
身体能力だけではなく、人間を形成する中で大切なものはバランス感覚です。
スポーツには、心技体が基本にあるとよく言われます。
それを具体化するのがバランス感覚だと思っています。
06/1/2
《新春号外》
選手冥利という言葉があります。
これを一度でも味わったら選手生活を閉じようとは思わないでしょう。
それは自分だけではなく、周囲の方がスポーツへの想いを得るからです。
自分が選手として、トップを目指し努力してよかった、
と思うのもその瞬間ではないでしょうか?
いままでの努力が、そのとき集約された思いをするのです。
これは、スポーツを目指す、すべて人に与えられる特権だと思われます。
オリンピックに出るから与えられるものではないのです。
それを目指して努力する気持ちが必要なのです。
スポーツ界で、記録か記憶かと言われることがあります。
単的な例は、プロ野球で長嶋は「記憶」であり、
王は「記録」と言われてよく対比されていました。
記録は、データとして恒久的に存在するものであり、
勝敗や選手の実力を示す大事なものです。
後続の選手達はこれを目標として切磋琢磨しているのです。
一方、記憶は記録の持つ冷徹な情報とは異なり、どちらかと言えば、
より人間的な記録と考えれば良いのかも知れません。
それだけに記録を超えた親しみがあります。
スポーツマンシップは、スポーツマンには欠かせないものです。
しかし、それを詳細に説明するのは難しいと言えます。
記憶はその難しさを暖かく迎えてくれるように思われます。
テニスで有名なのは、佐藤とチルデンのラリーでしょう。
チルデンが打球後、足を滑らせそれを見た佐藤が、
その場所へボールを打ちラリーが続いたのです。
この判断は賛否両論でしょう。
佐藤に聞いても恐らくそうだったっけと言うでしょう。
私は咄嗟のことだと思います。
いつも相手を思いやるところで咄嗟に出たものではないか?
佐藤も決して新聞種になり、
スポーツマンシップの素晴らしさを礼賛されるとは考えていなかったと思います。
いつもスポーツマンシッププレーが念頭にあるからと思います。
新年のスタートにあたり、愛好者各位におかれましても、
総ての基本としてスポーツマンシップの涵養に努めて下さるようお願い申しあげます。
今年も読者各位のご健康と、心技におけるレベルアップを心からお祈り申しあげ、
昨年同様のご支援お願いいたします。
05/12/20
《バランスー2》
先般も、子供達を集めて指導していた場面を紹介しましたが、
小さい時から雰囲気に親しむのは良いことです。
だからと言って、闇雲に何でも詰め込んだら良いというものではありません。
と言うより、最初から基本は崩してはならないのです。
フォームは人それぞれですから、多少は違いがあっても気にすることはありません。
大事なのはバランスの習得優先なのです。
ラケットを振りぬく力がなくとも、
ボールをラケットにどのように当てたら良いかではなく、
シングルハンドなら片手を、ダブルハンドなら両手をどう使うかなのです。
ところが、拝見していると指導の主体は、
ボールにラケットを当てることに終始していました。
そのためボールへの対応が、高低左右とバラバラになっているのです。
あくまでも、身体の動きをチェックしながら進めるべきと思います。
何故なら、体の動きには個性がそのまま反映するからです。
別の表現では、それを天性と言います。
確かに、そのような身体能力は、教えて教えられるものではないのです。
しかし、本人が知らないまま、
自覚することがないままで放置しておくのは勿体無いことです。
指導者の大事な役割として、選手の潜在能力を引き出すことが必要なのです。
バランスはその中でも最重要課題だと思います。
少しでも早く能力を見つけることです。
05/12/10
《バランスー1》
バランスだけが独自の動きをするものではなく、自分なりのスタイルの中で、
どのような動きになるのかが問題となるのです。
基本はぎこちなさのない動きが大切です。
競技者を見ていて、バランスが良い場合は流れを感じるものです。
それは身体の軸を中心として動いているからです。その典型がスケートではないでしょうか。
卑近な例を挙げれば、独楽の動きがバランスの典型だと思います。
軸の回転が無くなれば独楽は力を失い、一気に回ることを止めてしまいます。
ただ、独楽のように軸を中心に回るのは、回転と言う力があるから可能ですが、
多くの競技は軸一本に頼ることは出来ません。
軸を中心に左右のバランスをどう考えるかなのです。
競技者は、左右の手足を巧みに使いながら競技を継続します。
それは、身体を一箇所に固定するのではなく、絶えず移動することを要求されるのです。
単純な運動行為として、
私たちが走る場合、足の移動だけではバランスの良い移動は不可能です。
必ず両手の振りが必要となります。
これがあるから前方へ走り、また方向転換が出来るのです。
子供の頃、競走でカーブの時は、勢いあまってコースから外れました。
そのようなとき、左回りだと右手をグルグル回して、外れるのを防いだ記憶があります。
自分の身体を、立て直そうとする行為は本能的にあるのです。
倒れるのを防ぐ行為となるわけです。バランス感覚は、それを意味しているのです。
競技に参加するには不可欠な身体能力です。
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