05/03/10
《グリップー9》
グリップについて、いつも考えていることを書いてきました。
初心者の方が打球するとき、ボールの行方が定まらないのはいくつかの理由があります。
中でも大事なことがグリップにあるのです。
総括すると、ボールに対してラケット面をどのように当てれば良いかを、
自分で納得しなければいけません。その時のグリップがあなたの最適なグリップなのです。
誰かに教わったとき、最初のグリップを金科玉条と思ってはいけないのです。
それは標準的なグリップであり、あなたにフィットしたグリップではないかも知れないのです。
ここからが、あなたのチャレンジになります。
いまのグリップがフィットしていれば変える必要はありません。
変える場合はボールが自分の思い通りのコースへ飛ぶかどうかです。
打球後にしっかり握っているのに、手の中でラケットが動くようではいけないのです。
勿論握力が弱ければ動きますが、
ラケット面とボールの接触が悪くても手の中でラケットは動くのです。
このように、絶対と言うものはないのです。
個人個人の顔や体形が違うようテニスのスタイルも違います。
上手な方は自分のスタイルを身に付けたからなのです。
最初から優劣が決まるのではないのです。
グリップは、腕とラケットを結びつける接点の役目をします。
それだけに、ここで窮屈な考え方をすると、接点ではなく分断してしまうのです。
結果として、それらは別々の動きをしてしまうのです。
それでは、自分の考えが伝わりません。
身体全体が一体となって始めてパワーが炸裂するのです。
身体の部分で各自10の力を発揮させるのではなく、
身体全体で10の力を出すようにするべきです
05/03/01
《グリップー8》
グリップで大事なのは、インパクトの時点で如何に上手くラケットをグリップするかです。
打球時にパワーが全開しなければ、それまでに蓄積したものが霧散してしまうのです。
その瞬間をどう捕らえるか?それぞれ経験がおありと思いますが、
いつも力を入れていると肝心の時に力を失うのです。
いつもはグリップをリリースし打球の瞬間にグリップするのです。
このように考えると、握力の強化が必要になるのは当然でしょう。
鍛錬の方法はいろいろありますが、大事なのは続けることです。
簡単に身に付くものではないのです。
テニスの習得で何日努力すればとか、このようにすればと言う方がいらっしゃいますが、
何事であれ速習で身に付くものはないのです。
上達には地道に継続する練習しかないのです。
パワーを十分に発揮させるには、右腕だけを振り回しても駄目です。
もし出来たとしても僅かな時間です。大事なのは継続させなければいけないのです。
それには両腕のバランスが必要です。
両腕のバランスとは、簡単に言えば両腕へ均等に力を入れることなのです。
初めての方は、力一杯打とうとして右手に十の力を加えます。
それではしっかりしたボールが打てません。
左手に同じ力を入れてバランスを取るのです。
ラケット面で何かを押してみてください。
その時左手を下に降ろして右手だけで押してください。
つぎに左手を構えて同じように押してください。ラケット面の勢いが全く違うはずです。
このようにグリップに不要な力が入らなければ、安定した力を発揮できるのです。
グリップは、テニスで非常に大切な部分を担っていますから、
バランスを上手く取ることで力が発揮できるのです。
ここで、いまひとつ大切なポイントがお分かりでしょう。そうです。
いつも握り締めているのではなく、いつもリリースしておくのです。
それには左手でラケットを支えていれば可能なのです。
打つことに集中するためでしょうか。
右手でラケットを持ちブラブラさせているのをよく見かけますが、
これでは右手に大変な負担が掛かるだけでテニスには少しも役立ちません。
何故バランスが大切か?よく考えてみてください。
人間の身体は基本的に左右対称となっています。
これは身体に中心があり、それを軸として回転することを示しているのです。
05/02/20
《グリップー7》
グリップの中で、私が不得意とするのはダブルハンドのグリップです。
自分が経験してないだけに充分な説明が出来ません。
ですから、ダブルハンドグリップの是非を語るのが難しいです。
いままで、多くのダブルハンドグリップの選手を見てきましたが、
ただの一度も変更しなさいと言ったことはありません。
あくまでも、それを採用している選手にどうあわせて行くかを考えました。
基本的に、かなりの運動神経(反射神経)がないと、
ダブルハンドグリップは身に付かないと思われます。
片手より両手でグリップすればボールへの対応がかなり複雑になります。
ダブルハンドの採用は、当初ジュニアや女性用として力不足の方が
相手のボールに負けないためと言われていました。
しかし、その根底にはパワーテニスの出現を期待したものと思われます。
以前の重いラケットならダブルハンドも分かりますが、
現在の軽いラケットによるダブルハンドは男子の中で浸透するに従い、
パワーテニスへの道を歩むことになったのではないでしょうか?
いまでも、初めてラケットを握る方にはシングルハンドを勧めています。
私がそれを言い始めてかなりになりますが、
いまはダブルハンドがシングルハンドに変化し、
スライスの利用が増えているのは誠に同慶の至りです。
私がシングルハンドを提唱する理由は、バランスの良いプレーをするためであり、
相手がある以上、自分だけの考えを固持するようでは進歩が望めないと思うからです。
05/02/10
《グリップー6》
グリップの大切さはお分り頂けたと思います。
自分の手の平を操るようにボールを処理するには、
どのようにグリップしなければならないか?
またこれに伴う、打球時点からフォロースルーまでのラケットの軌道の大切さを
充分に認識して頂きたいのです。
フォロースルーで手の甲が空を向くようなスイングは、
順回転(ドライブ)のボールになり、下を向くのは逆回転(スライス)のボールとなります。
インパクトまでは不明なボールの回転が分かるのです。
これは突然になるのではなく、
プレーヤーが意識することで結果としてそのようになるのですが、
その発端はバックスイングからフォロースルーの過程の中で、
アウトサイド・インかインサイド・アウトかで決まるのです。
このように、一つ一つの技術面の指導にしても独立するものではなく、
他との連携や混在するものがありますから、内容的にはスイングの範疇であっても、
結果としては独立して話を進めることが出来ないのです。
指導の難しさが時々顔を覗けるのです。
いずれにしても、グリップとは単純にラケットを握るだけではなく、
相手の動きによって強力なストロークを打ち出したり、
それによって相手に致命傷を与えるための基本であるのです。
標準的には、ワングリップが理想だと思いますが、
打球に対して更に強力なダメージを与えるには、
グリップチェンジの習熟も必要になると思われます。
05/02/1
《グリップー5》
繰り返しになりますが、
グリップはラケット面との関連が非常に強いことを忘れないでください。
自分の手の平の延長と言う意識があるとスイングしなくとも、
ラケットを握り締めるだけでその角度を利用しボールはその方向へゆきます。
これをボールへのタッチが良いとも言いますが、
それはラケット面を有効に使っているからです。
マッケンローやナブラチロアのラケット捌きを見ているとマジックのように思われますが、
基本を忠実に守っているからこそのショットなのです。
フォアは手の平を、バックは手の甲をラケット面に見立てるのも
一つの方法と言えるでしょう。熟達するとそれは自然な感じで処理が出来ますが、
最初では意識するのも必要だと思います。
この場合、気をつけないといけないのが、手首の持って行き方です。
ラケットは指先で握っていますから手首は自在です。
しかし、腕の延長と考えるなら手首を自在に動かしてはならないのです。
それを自在に動かすことができるのは、ボールに対する感覚が掌握できてからであり、
熟達してないとボールは正直ですから手首のおもむくままに左右し、
コントロールするのが難しくなります。
最初はこのような意識を持ってラケットをグリップしてください。
それが基本なんです。それが身に付けば的確な練習と経験で、
手首の自在な動きに身体が反応するようになります。
そうなれば、あなたのテニスの実力は確実に自分のものになることを知るでしょう。
ボールが当たった瞬間、ラケット面とボールの接触面が直角であることが絶対条件です。
これはプレーをする上で、
打つべき位置へラケット面が向いていることを指しているのです。
結果は相手があるのですから、
実力やボールの緩急等で変化があることを承知しなければなりません。
道具を持って相手と競技するスポーツは、
その道具をどのように持つかによって勝負が左右されるのです。
自分に合った握り方を会得した人が先んずるのは当然ではないでしょうか?
これらを考えると、指導者の方も個々を大切にして、
決して一つの枠に嵌め込んでしまわない指導が大切であり、
選手を大きく飛躍させるに違いないのです。大いなる飛躍が期待できる選手を、
自分の枠へ閉じ込める独りよがりは止めて欲しいものです。
05/01/11
《グリップー4》
グリップには、「イースタン」「イングリッシュ」「ウエスタン」の
三種類が基本としてあります。
一つのボールに対して、ラケットの両面を使用するテニス独特のものでグリップも多彩です。
それだけに究極では打球点(インパクト)でボールとラケット面が90度に近い
角度で当たっていればそれで良いのです。
「イースタン」であれば相手と握手をした形で、
「イングリッシュ」はラケット面が地面に対して垂直に、
「ウエスタン」はラケット面が地面と平行になるようにと言うのは、
あくまでも基本であり、絶対的なものではないのです。
あまりグリップに拘ると、初心者の方は戸惑いそちらへ気持ちが偏ってしまいます。
そのためにグリップをしっかりと持ち続け、
どのようなボールが来てもそれで対処しようと考えてしまうのです。
手は腕の延長と思い、
手で握られたラケットは手の一部だと言う感覚を大事にして欲しいと思います。
実際に手首はいろいろと多方面に動きます。
それは手首がそのように仕向けてくれるのです。
ですから、ラケットの重い頃は手首を使って事前に形を作りスイングをしていました。
リストワークが必要であったのは間違いなかったのです。
これはタイミングが合わなければ惨めな結果になりますから、高度な技術と言えたのです。
このようにグリップチェンジをしない、ワングリップは廃れているようですが、
咄嗟の判断を必要とするときには、大切だと思われます。
特に、ドライブとスライスのグリップを、相手に分からせないために
ワングリップを利用する場合もあるのです。
充分にボールを引き付けて処理が出来るからです。
基本の徹底は、どのような場合にも欠かすべきではありませんが、
固執することは更に問題を大きくします。
コーチとしての役目はプレーヤーの資質をいち早く察知し、
それにフィットした指導があれば幾らでも成長するものと思われます。
グリップはその中の一方法として認識して頂ければ幸いと思います。
プレーヤーと相談しながら決めてあげることが一番だと思っています。
05/01/11
《グリップー3》
腕とラケットが一体の感覚と言いましたが、
それでいて掌をラケットの面に見立てるのはグリップにおいて大切な事柄です。
そのためにも小指をしっかりと握っていないといけないのです。
インパクトで握れないと手の中でラケットが動き面が不安定になります。
いつも握り締めているとこのようになるのです。
よくテレビで一流の選手を見ていると、
左手でラケットを支え手の中でクルクル回している姿を良く見ます。
これもリラックスしインパクトでパワーを発揮する事前の動作なのです。
しかし、初めて間がない場合はグリップが安定していませんから、
このような動作は好ましくありません。しかし、リラックスするのは大事ですから、
左手でラケットを添えて右手を開放してあげましょう。
さて、ラケットを持つ手は打球のために大切ですが、
左手をどのようにしているかは、右手と同じように大切なのです。
スポーツで基本になるのはバランスです。右手の力を更に強力にするのが左手の存在です。
ダブルハンドの場合は、さほどの意識は必要ないのですが、
シングルハンドでは得てして意識が希薄となります。
例えば、日本の剣道は基本的に両手で竹刀を持ちます。
外国の剣道はフェンシングでしょう。ご存知のようにフェンシングは片手です。
それだけに使わない手はどうしていますか?
90度の角度で後ろへ大きく引いて構えています。
これで右手とのバランスを取っているのです。
これがあるから、右手の力が充分に発揮できるのです。
このようにテニスにおいても、
ラケットを持つ反対側の手の動きが微妙に打球に影響しているのです。
良い選手のラケットと反対側の手をご覧ください。
まるで何かを握っているように指先まで力が入っています。
これで左右のバランスを保っているのです。フェンシングの片手と同じと思いませんか?
05/01/02
《グリップー2》
グリップの握り方ですが、
指全体に力を入れると鷲づかみとなり、打球時で力を失ってしまいます。
小指だけをしっかり持っていれば良いことが分かります。
それには、小指以外を柔らかくするため少しづつ指の間隔を広げれば良いのです。
この握り方で、ラケットと腕の角度が変わってきます。
よく直角に近い角度が良いと言われていますが、それでは窮屈な感じになります。
大事なのは角度ではなく、ラケットのヘッドをグリップより下げないようにすることです。
それを頭に入れた握り方をすれば、あと細かいことにこだわる必要はありません。
大事なのは余裕を持った握り方をすることと、
インパクトで如何に効率の良いパワーを発揮できるか、これに注力するべきなのです。
最近は、バックハンドでダブルハンドが多いためあまり聞けなくなりましたが、
サムアップと言う方法があります。
これはバックハンドのグリップで親指だけをずらせ、グリップの面に沿わせるものです。
良い点は、ラケットの面が安定することにあります。
手首は可動性が高いので、うまく使えば効率の良い結果が出ますが、
間違えば予想もしない結果になりがちです。
このサムアップが、新しく始めた方にお勧めなのは、やはりラケット面の安定感でしょう。
今のダブルハンドが、この延長だと言えば良くお分かり頂けると思います。
グリップを安定させる、もう一つ大事なのは握力の強化です。
打球時に手の中でグリップが回ったり、ラケットが動いたりするようではいけないのです。
握力の強化は、他の練習と同じレベルで行ってください。
04/12/22
いままでの繰り返しになるかも知れませんが、
メルマガ読者には、初心者や初心者を教えていらっしゃる方をお見受けしますので、
続けてお読み頂ければと思います。メモであるため一貫性にかけるところはお許しください。
ただ、少しでも役立てばの気持ちは変わりません。
《グリップ》
ご存知のように、道具を使用するスポーツでは、
グリップの大切さは何より優先しなければならないと思っています。
加えて、テニスの場合はラケット面の活用を考えた様々な握り方があります。
それだけに、ラケット面の使い方について、
プレーヤーを納得させることが必要となります。
何故なら、ラケット面の使い方はそれによって生じるボールの回転に関わるからです。
科学的な根拠は全くないのですが、ボールの回転は、
ある程度プレーヤーの先天的な身体の動きと関連しているように思われます。
例えば、スライス系の回転とドライブ系の回転は、スイングとの関連が強いのですが、
選手の身体的な面で教える範囲に限界があるように思えるのです。
勿論、一つのパターンで割り切れるものではないのですが、
そのパターンの中へ押し込めて、選手が持つ本来の力を発揮できないでは、
選手には悔しいものとなるのではないでしょうか?
さて、グリップの太さですが、
細目のものはリストの柔軟性でラケットをかなり自由に扱えます。
それだけに、ヘッドの重さを感じるのでテクニシャンに最適と思われます。
一方、太目のものはヘッドが軽く感じられるので、強打するプレーヤーに都合が良いのです。
同じように、グリップのどの辺りを握るかでタイプが変わります。
グリップエンドを目一杯握る場合は、
リストを使う範囲や頻度が多くなるのでテクニシャンに良いでしょう。
しかし、短めの場合は、ヘッドの使い方に限界が出ますから、
安定したストロークを目指すときに有効だと思われます。
グリップするときに、忘れてならないのが小指の大切さです。
グリップがしっかりしているかどうかはこれで決まります。
ラケットを握るときは、小指をしっかり握り薬指・中指・人差指と順次力を緩めてゆき、
最後に親指を添えてラケットを握ります。決して力一杯握り締めてはいけません。
極端な表現をするなら、握ったラケットを小指以外を離して下さいと言われて、
ラケットが手の中に残っていなければいけません。
小指をしっかりさせ、他の指を添えていればラケットを落とすことはありません。
それによってインパクトで、ラケットをしっかり握れ、本来の力を発揮するのです。
だからと言って、このようにゆったり握っていても、右手の負担は大きいのです。
それを和らげてくれるのが左手なのです。
ボールを打つまではラケットを右手に加えて左手でカバーするのです。
ラケットのどこを持つかは、グリップチェンジをするとか、
今後の動きに関わりますので個人差があります。
左手を添える場合は、右手の指を全て開放し、
ボールを打つときに充分な力が与えられるように、右手の握る力をリリースしてやるのです。
それをタイミングよくすることで、ボールの打球時に力が全開するのです。
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