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09/8/1
   <キッズの練習を拝見して>

   自分の、背丈ほどもあるラケットを振り回しながら、
  練習している場面に遭遇しました。しばらくその姿に注目し眺めていました。
  動きは女性の方が機敏です。

   目を疑ったのは、コートのサーフェイスがハードコートです。
  見ていて危なかしくって仕方なかったです。
  基礎が出来てないのに、このようなコートでの練習って?。

   全部で20人ほどでしたが、男性の学生らしきコーチの指導で
  交代しながらストロークの練習をしていました。
  見ている間での個別のコーチはありませんでした。

   中には器用にラケットを使っていた子もいました。
  いずれもトップスピンをかけている積もりなのか?
  ヘッドを上にして押さえ込むように振り回していました。

   一番の問題点は、打つことに懸命でフットワークがメチャメチャでした。
  あれでは身体を使ったボールにはなりません。
  タイミングよくラケットに当たって返球でした。

   何歳なのか分かりませんが、小学校の低学年でしょうか?
  課外授業として活動なのか?それとも俊英を育てるためなのか?
  テニスのキッズ教室なのでしょうか?

   学校であれば、スポーツを親しむことに主体を置いた練習もかねて、
  ある程度の時間が経過すればそれも良いでしょう。
  それでテニスが好きになってくれれば良いのです。

   しかし、テニス教室なら場所から考えなければ駄目です。
  最初は絶対にクレーコートでプレーをすることです。
  基礎を身に付けるためにはクレーは不可欠です。

   何故クレーコートが良いかですが、これは細かい砂ですから急制動が掛かりません。
  滑ることで止まるのです。これは膝を痛めないのです。
  滑るからショックを吸収してくれるのです。

   このために、ボールを思いっきり追いかけることが出来るのです。
  足の筋肉を痛めることもないのです。
  「テニス」は「アシニス」と言われるほど足は大事なのです。

   私たちの現役時代では、コートのバックライン付近で、
  センターを中心に蛸の足のように、前後左右に靴の滑った後が残っていたものです。
  フットワークが形として残るのです。

   このような基礎練習をするから、打球の際に充分腰を落として
  回転させることが出来るのです。いくらラケットが軽くなっても、
  腕力で振り回しても軽いボールでしかないのです。

   子供たちが、一生懸命テニスを習得したいと考えているなら、
  今のような練習は無意味です。ただ単に時間を浪費しているだけです。
  親や指導者は、もっと子供目線で付き合って欲しいです。

   ストロークしか見なかったので、感じたこともそれしかありません。
  見てないものを批判出来ませんから、
  サービスやボレーをどうなのか分かりませんが大切にして欲しいものです。

   個別に指導することが、その選手を引き上げることは間違いないです。
  しかし、間違った指導法では、その選手の上達方向はいびつなものになってしまいます。

   前にも書きましたが、テニス瞬間上達法なるものが人気なようですが、
  とても信じる気にはなれません。
  これだと懸命に努力している意味はどこにあるのでしょう。

   瞬間的な上達法は、新人に対してプロが相手をすると同じボールが帰ってきます。
  ですから決められたスイングを同じようにしていれば返球されるのです。

   これでお分かりのように、新人が上手くなったのではなく、
  決められたことをそのまま実行しているからです。
  瞬間上達法を読まないでの批判は失礼かも知れません。

   しかし、結論的に内容は眉唾と思われます。
  このような安易な練習方法で上手になったと悦に入るようでは、
  その選手の寿命は高が知れています。

   続けて欲しいのは、地道な練習です。この繰り返ししか上達する道はありません。
  絶え間ない練習で、身体に沁みこませることが大事なのです。それが練習なのです。

   練習を見ていて、子供たちが懸命に打ち合って、
  指導者の掛け声だけで交代を繰り返している姿に、
  何かしら寂しい思いを感じながらコートを後にしました。

   後述の「今月の言葉」をご覧になるとお分かりと思いますが、
  先輩諸氏が日頃の生活の中から感じたことを列記しています。
  それを見ても地道な練習の大切さが分かります。

   親や指導者のマスターベーションになっては子供たちが可哀想です。
  誰でもが強くなりたいのです。フェデラーに・エナンアーデンになりたいのです。

   それであれば、そのために何をしなければならないかを考えなければいけないのです。
  それが子供たちに生かされて初めて指導したことになると思います。


   <今日の言葉>

   □ 厳しい環境の中で、懸命に生きている姿に感動する

   □ 海中写真では、海にお邪魔すると言う気持ちでいる

   □ 謙虚な気持ちで自然と付き合う

   □ 二人の自分が葛藤している、止めろ/続けろと言う自分

   □ プロとは、一つの目標を持ちそれにひた走り最後に完成させる人

   □ 目標達成の努力を怠らない人

                           海中写真家  中村 征夫


09/7/16
   <高校生の練習を拝見して>

   中・高校生で初歩段階は、テニスを嗜むためであるという限度を感じます。しかし、
  ベースは大きいほど良い訳ですから、出来るだけ多くの若人に参加して欲しいです。

   さて、練習で感じた良いなと思ったのは、
  サービス練習にかなりの時間を費やしていたことです。
  ただ、サービス練習は明確なテーマを与えないと惰性になりがちです。

   しばらくコートサイドで見ていましたが、
  指導者がどのような考えでサービス練習をさせているのかとの疑問にぶつかりました。
  それは練習内容に不可解な点があったからです。

   その一つ、トスの位置がバラバラだったからです。
  これでは決して良いサービスは期待できません。
  しっかりとしたサービスの基本はトスです。

   このトスが都度乱れています。
  だから、当然ですがサービスも乱れます。トスが正確でないから、
  それ以後のサービススイングがすべて狂ってくるのです。

   その後が完璧にならないのです。
  何とかそれでも入っているのは経験からです。
  同じことを繰り返していると、歪んだまま固定するから取り敢えずは入るのです。

   私の現役時代、ダブルフォルトは考えられなかったほど練習しました。
  サービスには全く不安はなかったのです。
  これはダブらない自信以外に支えるものは無いのです。

   それは、トスの位置によってサービス・スイングが固定するからです。
  特別早いサービスではなかったですが、
  コーナーを狙ったサービスで押さえた記憶があります。

   今回の練習で見たトスは、その殆どが頭上に上がっています。
  これでは体重が乗った力のあるサービスは打てません。
  加えて、左足がトスと同時に前進しています。

   左足を固定するから、サービス・スイングがしっかりとなるのを
  認識しないと良いサービスは打てません。
  身体の回転が全くなくなり手打ちサービスになってしまうのです。

   最後に、タメがないです。
  1−2−3で流れのようにスムースな動きになっています。
  これでは身体に溜め込んだパワーを充分に発揮できないのです。

   大事なのは、1−2の−3で分かるように、打球する「2」の時に「の」と
  一拍置くとそこでパワーが集約されるのです。

  それを充分に発揮するための動きなのです。

   折角の練習でしたが、基本が出来ていない内容では、
  実力のレベルアップは期待できないのです。
  生徒は一生懸命頑張っていましたが、それだけに正確な指導をして欲しいです。

   <基本は一つです>

   繰り返しますが、サービスの基本はトスです。
  トス一つでサービスの力強さ、狙いどころが決まるのです。
  それを、いつも念頭において練習を続けて欲しいです。

   次に大事なのは、右利きの場合の左足です。
  これは構えから完了まで決して動かしてはならないのです。

  高いトスを打つためのジャンプは移動ではないのです。

   何故なら、左足を動かしたわけではないのです。
  位置は変わらず打点が高いからジャンプしているための動きなのです。
  よく見ると爪先まで力が入っています。

   練習では、まるでサービスに勢いをつけるかのように左足を前に運んでいます。
  これの間違いは、トスは構えの位置から上がりますが、
  前足を運ぶことでその位置関係は変わります。

   身体の位置は左足と同様に前に向かっています。
  しかし、その位置へあわせてトスしているかどうか?
  もしそうであっても、動きによって微妙な変化が起きているのです。

   グリップはイースタングリップが基本です。
  これはサービスをより強力にさせるリストワークを、
  更に有効にさせるために忘れてはならないテクニックなのです。

   ただ、ラケット面が地面に対して垂直になるため、
  そのままのリストではフレームでボールを打つことになります。
  ラケット面で打つためにはリストの角度を変えなければ駄目です。

   ボールに対して、直角に当たることがパワーを生み出すのです。
  そのためにはウエスタングリップが妥当ですが、
  力を加えるリストワークが充分には出来ないのです。

   イースタングリップのまま、
  バックスイングからフォワードスイングに入るとき、
  ここでラケット面をボールに対して正面にします。
  この時リストが初めて折れるのです。

   この折れる表現は判り難いと思いますが、
  ウエスターングリップと比較すると理解できます。
  この際には、グリップエンドがリストに掛かり自由が利きません。

   一方、イースタングリップではリストの邪魔になりませんから
  限りなくフリーの状況です。
  この状態が、リストワークとしてパワーを引き出すことになるのです。

   少し戻って、ラケットをフルに回転させるため、
  バックスイングでラケットヘッドを地面に向け、
  それを引っ張り上げるように大きく輪を書きます。

   そのまま、肩に担ぐと下から上がったラケット面は一旦上を向きます。
  そこから、打球に向けて円を描きながら回転するのです。
  このとき先ほどの「の」が生きてくるのです。

   ここから、すぐ打球するために動くのではなく小休止します。
  肩に担ぐ仕草となります。
  このとき、すぐ打球のために回転を始めるのではなく小休止をするのです。

   このとき、ラケットを持つ腕は、パワーを保持するため身体の右側側面に対して、
  直角に近い角度を保持しながら前傾姿勢を取ります。
  左腕は右腕に対して上方へ伸びます。

   伸びきった左腕は、前に出ようとする右腕に対して
  ブロックするように左胸に抱え込みます。
  それにより右腕は溜め込まれたパワーを吐き出すように回転をアップするのです。

   サービスで一番バランスが要求される部分となります。
  このパワーがラケットヘッドの回転スピードを上げ、
  ボールのパワーを生み出す原動力となるのです。

   この瞬間的なパワーを生み出す筋肉が背筋なのです。
  この部分の鍛錬も大切ですが、全体的なパワーバランスをより大切にしてください。
  それを生かすのはバランスです。


   <今日の言葉>

   □ ワールドカップに対して、自分を高めようとする意識があるかどうか?

   □ 失敗を恐れず行動しているかどうか?

   □ 自分のその日の調子で変わるようでは代表の資格は無い

   □ 高い志と強い意志が大事

   □ 夢があるから強くなる

   □ 自分のためを越して、世のため人のためが元気の元になっている

                            川渕 三郎


09/7/4
   <ウインブルドン前哨戦>

   新星が現れました。現在世界ベスト10入りですから、
  私が知らなかっただけかも知れません。
  18歳の女子プレーヤーです。名前はキャロライン・ウォズニアッキです。

   何気なく見ていた、エイゴン国際大会で優勝してしまいました。
  全体的にバランスの取れたいい選手だなと感じました。
  ボールに対する執着心は18歳とは思えません。

   ウイリアム姉妹から、ゲーム中に掛け声のように声を出すことが普通になりましたが、
  彼女は寡黙のままです。ガッツポーズも珍しいです。これは気に入りました。

   ゲームポイントで、サービスが決まったと歓声を出しましたが、
  フォルトの判定で見せた笑顔は素晴らしくチャーミングでした。
  照れた表情がすべての人に幸せを感じさせました。

   取り立てて、これが秀逸と言う技術は見えませんでしたが、
  それが曲者かもしれません。
  18歳で、5回目の優勝とありましたからランク9位も頷けます。

   フォアは、厚いグリップからリストを効かせ、
  クロスは、バックライン一杯の深いものでした。
  バックはダブルハンドで相手攻撃に対し、腰を低く構えるスタイルは力強いです。

   サービスの確率は非常に高く、素晴らしいのはワイド・ボデイと揺さぶる狙いです。
  特に、セカンドサービスのスライスは、落ちてからのスライドが激しいです。

   大会後、ウインブルドンで伊達が最初に対戦する相手と知りました。
  エントリーでの感じは、シード8とあり名前からはどのような相手か分かりませんでした。

   しかし、今の伊達がこの若さ溢れる、しかもウインブルドンを前にして、
  シングルス優勝した相手と戦うのはしんどいでしょう。
  どのような試合になるか楽しみです。

   それにしても、今回のウインブルドンでは、日本女子は大変な相手と対戦するようです。
  試練と言えばかっこ良いでしょうが、ともかく体当たりでしょう。

   今年はセンターコートが屋根付きになりましたから、
  雨天での一時中止はなくなりました。
  いままでのようにメンタル面の葛藤はなくなるかもしれません。


   <ウインブルドンーー全英オープン>

   日本の出場選手は、杉山(40位)森田(65位)伊達(139位)
  中村(222位)森上(713位)5人の内3人がシード選手と戦うことになりました。

   何人が残るのかと期待半ばでしたが、このメモ帖を発行する時点では、
  残念ですが残っている選手はありません。杉山も、3回戦でパートナーに逆転されました。

   今回、報道を賑わしたのは伊達でしょう。
  1回戦での敗戦に同情が寄せられていますが、ワイルドカードでの出場ですから、
  これが精一杯ではないでしょうか?

   どのような気持ちで出場したのか分かりませんが、
  一番の疑問は何故13年前に引退宣言をしたのでしょうね?
  戦い終わった伊達の弁からは想像できないです。

   13年のブランク、1回戦の途中で足の痙攣による戦意喪失等を考えると、
  報道の同情的な内容にどうわが身を処したのでしょうか、これで伊達も終わりでしょう。

   試合中に痙攣を生じたら潔く退くべきです。それが相手への礼儀でもあるのです。
  チームプレーとは違うのです。それを惹起したのは練習不足と体調管理の拙さです。

   今回の結果を、その原因を一番に認識しているのは伊達でしょう。
  最後のセットはプロの姿ではない。見たくなかったです。
  ある面での潔さが必要です。惨めな姿は過去を失います。

   1回戦で、シード9の選手では?と言う人もいますが、
  予選を必死に立ち上がった選手からは羨ましいワールドカード。
  過酷な相手と対戦するのは当然でしょう。

   どのように努力しても、13年のブランクはとてつもない事です。
  止めようとする人もいなかったのでしょうか?
  夢見ることも場合によっては自分を惨めにする・・・

   それにしても、若手の不甲斐なさは目を覆うばかりです。
  いくら頑張ったと言っても、結果が伴わなくてはだれも認めてはくれません。
  勝って何ぼの世界です。


   <今日の言葉>

   □ 目標を達成するまで努力を惜しまない

   □ 勝つために必要な努力を知っている

   □ アガシを見習って35歳までは現役を続けたい

   □ フェアプレーで礼儀正しい選手として、認めてもらうように努力する

   □ コートでも社会でも紳士であり続けたい

                           フェデラー


09/6/15
   <キッズテニス>

   テニスが皆さんに好まれるのは良いことです。
  出来るだけ多くの子供たちに親しんで欲しいと思っています。
  勿論早ければ早いほど望ましいのですが、大切なのはやる気です。

   最近、このキッズテニスを見ていて驚いたことがあります、
  錦織の「エア・ケイ」の真似をしているのです。
  スイングのすべてを真似ているのです。

   始めてであればあるほど、基本のスタイルを身に付けさせるのが
  指導の本道だと思います。
  あのような打ち方をして、例えそれが決まったとしても一時的なものです。

   先ずは、それがその選手に合っているかどうか、誰にでも出来るものではないのです。
  身に付かないものは猿真似です。自己満足に将来はありません。

   これを見て怖いなと思いました。
  基礎の積み重ねから、自分のスタイルを見出すものだと思っているだけに、
  時代の寵児とは言えスタイルを闇雲に追わないで欲しいです。

   <全仏テニス>

   全仏王者ナダルの敗戦後の言葉です。
  「自分のベストのテニスが出来なかった」でした。
  加えて「自分のストロークが短く、相手を楽にさせてしまった」

   この苦杯を「悲劇ではない、いつかは起きることだった」と敗戦を素直に受け取り、
  自らを淡々と振り返っています。これは大変な自信の現われだと思います。

   一方、勝利したソデルリングは、
  「これまでの競技生活でもっとも重大な瞬間であるのは間違いない」と喜び、
  「思い描いた通りの試合が出来た」話しています。

   その後の優勝戦で、応援しているフェデラーが全仏初優勝を成し遂げました。
  ナダルのお陰で、鬼門と言われていたクレーでの優勝はグランドスラムのおまけ付です。

   グランドスラムとは、
  全豪・全仏・全米・ウインブルドンの四大会を制覇することです。
  現在、全世界で5人、今回6人目となる大偉業なのです。

   その難しさは、コートのサフェースの違いにもあります。
  全豪と全米はハードコート、全仏のクレーコート、ウインブルドンは芝
  の違いを克服するのは容易ではないのです。

   プレーをしたことがある方は、よくお分かりと思いますが、
  すべてのストロークで微妙な違いを持っているのです。
  だからこそ、グランドスラムが貴重とされるのでしょう。

   引退したアガシが、5人目の達成したのは1999年で10年を経過しています。
  新聞の見出しは、フェデラー大願成就とあります。
  彼の優勝インタビューを辿ってみます。

   (4度目の決勝だった)
   「長い道のりだった。何度もあと一歩を逃がしていたので満足感は大きい。
    最後まで残っていた全仏で優勝し信じられない気持ちだ。
    最後はプレー出来ないほど緊張した」

   (全仏は鬼門だった)
   「コートの条件に慣れるのが難しかった。
    センターコートも大きく感じてプレーしづらかった」

   (ナダルが4回戦敗退したが)
   「戦績の悪い相手がいなくなり、可能性が広がった。
    いつか彼が決勝にいないときが来て、自分が優勝すると思っていた。
    願ったわけじゃないがその通りになった」

   (史上最高の選手とも)
   「それは周囲が判断すること。まだ引退するつもりはないし、
    さらに良い成績を収めたい。記録に固執はしないが、
    今後もいくつか破れるといい」

   (結婚して子供も生まれる)
   「私生活と競技生活は別のもの。
    今回の優勝と直接の関係はないが最良のタイミングだった」

    ナダルとフェデラーの言葉を聞くと、
    その重さに感心すると共に相手を慮る配慮に、
    プレーヤーとして完成されたものを感じます。
    メンタル面の充実を思い知らされます。

    特に、フェデラーの私生活と競技生活は別物という表現には、
    浮かれた気持ちが微塵も無く、
    しっかりと地面に足を踏まえた力強さを感じました。

    27歳の彼には老成すら感じられますが、
    それだけ自分自身を極限の世界へ導いている証拠かもしれません。
    この状態が続く限り彼の王座は揺るがないでしょう。

    彼がどのような練習方法を採用しているかは分かりませんが、
    彼の考え方から推測するしかないですが、
    やはり基本に忠実な練習を繰り返していると思われます。

    何故なら、グランドスラムを勝ち取るには、
    コートのサーフェイスを考えた場合、
    特殊な練習は決してよくないと思うからです。
    どのようなサーフェイスでも通用する練習が必要です。

    今回の全仏で気づいたのは、緩急を上手く取り入れた試合運びでした。
    特に、ネット際のドロップショットは、
    強打でクロスにと憶測した相手をそれ以上に打ちのめしています。

    このタイミングの良さは、強打でクロスに決められるより、
    相手にはダメージが深いと思われます。
    決して楽をしているのではなく競技の上でのレベルアップを示しています。

    これからウインブルドンが始まります。
    よく言われるのはサービスが勝敗を左右すると言われます。
    その中でそれを打ち破る内容を期待したいと思います。


   <ダブルスに備えた練習方法>

   日本の場合は、いまも雁行陣が多いようですが、
  相手が雁行陣であれば同じシフトで戦う方法と、
  平行陣なら二人がベースラインまで後退する方法があります。

   いずれも、基本のストロークはクロスですが、相手の動きによっては、
  いつでもストレートに打つ用意がある、
  というプレッシャーは相手に与えておくべきです。

   平行陣で、必要なストロークは「ローボレー」「スマッシュ」で、
  特にセンターと頭上の守りが大切です。
  パートナー同士が早い状況判断をして位置変更することが大事です。

   ネットに対して、二人が平行ではロブに対処できません。
  ボールのコースにより位置は絶えず変化するべきです。
  センターボールはネットに近い方が出ます。

   ボレーはクロスが主体となります。
  浮いたボールはストレートを狙い。ローボレーはクロスを狙い。
  センターアタックは角度のあるボールが返ってきません。

   ポーチ練習では、<ラリー中に左右に動いてポーチ出来る態勢>
  <アウトボールを見極める能力>
  <スピードより、どこに決めるかのコントロール>

   加えて・・ポーチ打球後にバランスを崩さない
      ・・次のプレーに影響することを忘れないことと
      ・・ボレーに出るタイミングを充分に取れるように考えること

   ポーチした後、次のボールに対する準備が必要です。
  <センターを超えない場合は、元へ戻る)
  (センターを超えた場合は、そのまま逆サイドへ付くのです>

   これにより、<元の位置はパートナーがカバーする>
  から安心してポーチをすることです
  狙う場所は センター・レシーブした相手のサイド・パートナーサイドとなります。

   ロブをロブで返球する。
  <ストレートのロブ>(陣形の変化と浅いロブを確実に決める)
  (前衛はセンター寄りに位置変更し、ロブが上がったら二人が対応する)

   <ストレートロブは、サイドライン寄りに流れるので注意する>
  対するスマッシュは、ストレートではなく、両サイドに打ち分けると
  決まる確率が高まります。


      <今月の言葉>

  □ 体調の悪いことや欠点を相手に見せない

  □ それは相手に対する礼儀である。

  □ 自信を育てる

  □ マイナス志向/自分はこの程度・・・

  □ 勝利に対する執念

                       プロ野球の試合から


09/6/1
   <全仏テニス>

   アンツーカでの試合は、男性ではナダルの独壇場ですが、
  サーフェイスとしては日本人にも向いていると思われます。
  ボールを引き付けての一打は迫力が出るからです。

   いずれにしても、結果として日本人は早々と姿を消してしまいました。
  中々新鋭の進出がありません。寂しいことですが、どうしてなんでしょうね。

   女子シングルスは1回戦で杉山と森田が敗戦しました。
  特に森田には期待していただけに残念です。
  その結果では、ショットの質では相手を完全に上回ったとあります。

   それなのに何故負けたんでしょう?
  上回って居なかったから負けたのではないですか。
  その違いを経験の差と表現していますが、そのような簡単なものではないでしょう。

   森田もプロです。勝負の厳しさは誰よりも知っているはずです。
  このような、身びいき論評を是としていては成長は望めません。
  自分にはまだまだ厳しくあるべきです。

   第1ゲームの5−5からの15度のブレークポイントをものにしたのは
  4度だけとは、これは自分の技術不足と考え方の不足でしかないのです。
  コートへ入れば1人だけなのです。

   コーチの言葉が乗っていました。
  「もう少し攻撃のバリエーションがあれば・・・簡単に取れるはず」
  でしたが、果たしてそれが正解なのでしょうか?

   私はそのように思えません。攻撃のバリエーションとはどのようなものでしょう。
  森田にそれが徹底して指導されているのでしょうか?すべてはそれがスタートです。

   森田がダブルスで敗戦した際のコーチの発言は、
  新聞によるとシングルスのための出場であるとのこと。
  本気ならダブルスに対して、相手に対して失礼な発言だと思われます。

   どうしてこのような発言をしたのか、コーチとしての資格が疑われます。
  このようなコーチの元で育てられた選手も気の毒です。
  相手にそのように発言されたらどう思いますか?

   それもアマチュアではなく、
  プロであることへの認識に欠如が甚だしいと思いますが如何でしょう?
  相手を尊重することが、第一義であるスポーツ精神を根本にして欲しいです。

   加えて、最近テニス業界に気になることがあります。
  それは選手の故障です。錦織・伊達・森田など、あまりにも怪我が多いです。
  どのような練習をしているのでしょうか?

   その内容は、錦織(20歳)右ひじ疲労骨折
  伊達(38歳)左足ふくらはぎ故障  森田(19歳)左足ふともも故障と多彩です。
  彼らのトレーナーは一流だと思いますが・・。

   計算されたスケジュールで練習が行われるのでしょうが、
  これほど故障が多いとトレーナーはショックでしょうね。
  選手に、一番合うことで作成しているはずですから。

   適していると思われるトレーニングで故障が発生するのは、
  そのトレーニングが適してないことになります。これは重大な計画ミスだと思います。

   初歩的な判断ですが、
  トレーニングは選手のレベルアップに適するものであるべきで、
  それを遵守して励行することが選手としての義務であるべきなのです。

   もし、選手が遵守して無いなら、
  それはそれとして選手の管理が充分でないことになります。
  プロのコーチは、選手からの給料で行動しているはずです。

   門外漢としての発言と無視されても構いませんが、
  選手の育成を絡ませてもっと若手の台頭を望みます。
  それは現場だけではなく組織的に上位の変更も必要だと思います。

   端的な例で、競技会を開催するに付いて協会関係者を含めて、
  選手以外の参加者が如何に多数であるか?
  いまこそ選手を育てるべきで、役員を育てる必要はないと思います。

   最低数の役員と最大数の選手が参加する競技会が出て来ないものでしょうか?
  会場の運営を含めて周辺の援助は高校・大学の学生を
  ボランティアに頼って充分と思います。


    <今月の言葉>

  □ 結果を出してこそプロ。

  □ 五感を大事にする。

  □ 信念を貫いてこそ研究者。

  □ 目の前の事実を真っ直ぐ見る。

  □ 真剣勝負の中から出る新しい力。

  □ プロとは、他の人が出来ないことが出来る。

  □ 技術をマスターして他の人に出来ないことをするのがプロ。

                         (科学者)    細野 英雄


09/5/18
   後輩との接点を求めて、いろいろと会話やメールの交換をします。
  今回は、ダブルスの試合を見ることから始まっての推移を書いてみたいです。
  今までと重複する部分はあるでしょうが・・

   キャプテンの要請を受けて、試合を観戦しました。
  その内容について気づいたことを書いてみます。
  今後の練習に利用できるものは参考にして下さい。

   まず、ダブルスの基本が出来ていないです。
  何度も言ってきましたが、ペア同士がバランスの取れた動きが出来ていないです。
  前衛が何故いるのか後衛は何をしなければいけないのか?

   このバランスが大事なのです。動きを相手に分かってはどうしようもないのです。
  前衛はポイントを上げるためにいるのです。
  手を出す以上は決めなければいけないのです。

   当てるだけなら手を出してはいけません。
  ともかく、意味のないポーチが多すぎます。
  ダブルスで、前衛がサイドを抜かれるのは屈辱であることを忘れてはいけません。

   サイドを抜かれると誰もサポート出来ないのです。
  後衛が相手を苦しめて切羽詰った返球を、
  角度を付けて打球すれば一発で決まるのです。
  絶対に一打で決める気持ちが大事なのです。

   ロブの使い方ですが、ロブは高さより上げるタイミングが大事です。
  相手が、ポーチをしようと前進するタイミングで上げると有効な攻撃となります。

   そのためにも、ロブはドライブとスライスを混ぜることが必要となります。
  これは回転が違うからなのです。
  であればスマッシュも同じような打ち方では駄目なのです。

   サービスでは、トスのタイミングが良いだけに打球の際に力が込められていました。
  相手は、スイングは程々ですが、右腕がサービスの打点で伸びていません。

   あなたのパートナーはトスがよくないです。
  あれほどトスを上げると身体の軸がブレてしまい力が入りません。
  もっと身体の回転を上手く使うことを考えないといけません。

   ストロークですが、厚いグリップで被せる打球をしていましたが、
  手先で打球していますからボールが軽いです。
  もっとボールを引き付けて身体を使ったスイングが必要です。

   試合での共通点は、攻められるとロブを多用しています。
  これだけロブを使うなら、もっとロブを研究することです。
  基本的に守勢ですが、上げ方一つで相手を翻弄できるのです。

   ボレーは、ラケットのヘッドが手首より下です。
  これでは力強いボールは打てません。
  相手のボールの勢いを利用して返球するには、
  ラケットのヘッドを手首より上にしてください。

   前衛の動きですが。難しいと考えるから動けなくなるのです。
  まさか一人でカバーしなければと思ってはいないでしょう。
  二人で効率よくカバーするにはどうすれば良いかを考えるのです。

   動きの主体は前衛です。
  特別に後衛が指示する以外は前衛が主導権を持ちます。
  理由は後衛の動きを前衛が都度確認出来ないからです。
  前衛は後ろを気にしてはいけないのです。

   前衛は、自分の前にボールが来たらネットにつめサイドを守ります。
  ロブ等で頭上を越されたら直ちに反対側へ移動します。
  この動きに後衛が対応すれば良いのです。

   基本は以上です。
  いずれにしても互いの範囲をしっかり守ることから始めます。
  単純に言えば、
  サービスサイドでは攻勢、レシーブサイドでは守勢が基本的なパターンです。


   <ダブルスの試合前の方法について>

   ダブルスの基本は、ダブルで相手に立ち向かう難しさを、
  どれほどのコンビネーションで処理出来るかにあります。
  シングルスが強い組合せでも勝てる保証はないのです。

   現役中に、相手校でシングルでは5位6位のコンビに、
  どうしても勝てなかった経験があります。
  中学時代から7年間のコンビと聞かされて納得したものです。

   これは、選手の性格的なものだけではなく、
  相手の動きを察知して次への素早い変わり身は、「ア・うん」の呼吸であり、
  説明をして理解できるものではありません。

   だからと言って、それではどうやってそのような相手を見つけるかですが、
  それは一方だけがいくら頑張っても駄目なのです。
  互いにダブルスの基本を理解することです。

   その上で、まず互いの特徴を考えながら、シフトを決めるのです。
  フォアサイドかバックサイドか、前衛か後衛かなのです。
  表現を簡単にするために「前衛」「後衛」とします。

   「前衛」の特徴は、バックハンドに力があることです。
  それはストローク・ボレー等オールラウンドに及びます。
  「後衛」は、逆にフォアハンドに特徴を有することです。

   その理由として、パートナーがサスポーであれば、
  必然的に互いの持分は即決するのです。
  これは、試合においてサイドをケアする意味合いがあるからです。

   ペアが決まり、ダブルスの基本を認識することが出来たら、
  次は試合に際して、どのような方法で対処するかを考えなければいけません。
  それが試合に対する姿勢です。

   試合は、アンパイアのプレーボール宣言で始まるのではなく、
  試合前から既に始まっています。
  単純に、時だけを追っていたのでは勝つことは難しいのです。

   試合開始に伴い、軽い運動で身体を解すのは当然の行為です。
  コートに入ると打球練習が始まります。このとき、天候状態を素早く把握します。

   先ずは、風の状態でコート上でどのような動きをしているのか?
  いずれが風上か風下か。その抵抗程度はどうなのか?
  コート上で舞うことはないのか?

   次いで、太陽の位置があります。
  この位置判断はストロークでも大切ですが、
  特にロブの使用については確実に把握する必要があるのです。
  これが試合を左右します。

   始まるに際して、相手とのやりとりで大事なのが「トス」です。
  これで、最初のやりとりが試合の行く末を占うことになるのです。
  それほどのウエイトを占めています。

   トスはサービスの選択権を意味します。
  負けた場合はコートを優先的に選択できます。
  コートチェンジは奇数ですから、
  太陽の位置を考えた時、開始時は正面に太陽を置くべきです。

   奇数でコートチェンジですから、太陽を正面にする戦いは減少するのです。
  加えて、ロブの使い方を考えると、太陽を背にしたときその効果は倍増するのです。

   これだけのことを、試合前に確認しあってその対処方法を考えれば、
  後はこれらの自然現象を有効に使って、試合を優位に展開するべきなのです。

   勝つためには、自然現象さえも自分の味方に付けるべきなのです。
  どのようなことでも、
  自分に優位になることであればそれを存分に使わなければいけないのです。

   些細なことですが、
  あなたはコートへ入った時点で、ネットの高さを確認したことがありますか、
  ネットの高さや張りは大事なことです。必ず確認して欲しいものです。

   試合前の作業を済ませ心を落ち着かせて、
  相手を意識過ぎることなく自分のテニスをするための準備は出来たと確認し、
  元気よく始めて下さい。

   <後輩の言動から気づいたことの回答>

 1、自分には、キャプテンとしてふさわしい実力はない。

   キャプテンの選出がどう行われたか分かりませんが、
  一旦受けた以上はこのような発言は慎むべきです。それは謙虚とは言いません。
  自分を卑下しないで、選出してくれた仲間に対して誠実に事を運ぶべきです。
  キャプテンとしての矜持を失わないでください。
  技術での実力に負けるなら、部員を纏める実力で勝って下さい。

 2、コーチとして見るべきポイント

   試合中のアドバイスは殆ど効果はないです。
  何故なら選手は試合に集中していますし、
  メンタル面で四苦八苦しているかも知れないのです。
  このような中で、本人の細かい技術的な面のアドバイスは意味がないのです。

   それより普段のような自分のテニスをしているか、
  していればそれを納得させ、してなければ思い出させるのです。
  いずれにしてもコートへ入れば、自分一人で闘うしかないのですから、
  それを充分に自覚させるようなアドバイスが大事なのです。
  選手によって性格が違いますから、画一的なアドバイスは意味ありません。
  よく考えて練習中にどのような性格なのか実力なのかを知ることです。

 3、相手の欠点について

   例え、相手の欠点をあなたが把握して選手に伝えても、
  選手がそれを理解しその欠点を的確に攻めることが出来なければ
  意味がないのです。試合中に、それらを見出し選手の実力を勘案しながら
  ゲームを見るのは大変です。また、相手の欠点を見つけることも大変です。
  とするなら、相手の欠点を見出す努力をするより、
  味方選手の長所を磨くべきではないですか?


   さて、練習に際して何のための練習か?、
  充分に理解できていないように思えます。
  それだけに、練習が試合のための練習になっていないように感じるのです。

   例えば、ダブルスの雁行陣で極めて頻繁にそのパターンが見受けられます。
  それは、前衛のポジショニングです。
  後衛が返球するとボールがネットを越えた途端、
  そのボールのアウト・インに関係なく、ネットに詰めていた前衛がいち早く
  サービスライン周辺までバックするのです?。

   ゾーンディフェンスでは一番危険といわれる
  「デッドゾーン」に位置するわけです。不思議に思って理由を聞くと
  “ロブで攻められるから・・・・“だそうです。
  どのような返球があるか分からない、
  また確実にロブが来るかどうか分からない場面で
  事前の準備をするというわけです。

   取り敢えず、上記のポジショニングを「是」としましょう。
  問題はこれからです。
  では、それに対処する練習を取り入れているかという疑問です。
  私の体験では、そのような練習を見たことは殆どありません。
  ボレー・スマッシュの練習に入ると、必ずネットに詰めて気持ち
  よさそうにストレート・クロスに決めています。
  ネットより下がって(試合でのポジション)ローボレーに、
  またスマッシュに挑戦している姿を見ることは皆無に近いです。

   練習は試合のための練習であり、試合は勝つための試合でなければなりません。
  練習に対しては、貴重な時間をもっと効率よく使い、
  自分のレベルアップに役立つプランニングをと願っています。
  決して練習のための練習に終始することなく、
  試合のための練習に時間を使って欲しいものです。
  選手のレベルアップは、練習でしか培われることはあり得ないのです。
  何故なら練習で出来ないことが試合で出来るはずはないからです。

   人間が苦手であることの一つに「自分を客観視出来ない」ことがあります。
  一番手頃な方法は窓や鏡を利用することでしょうが、対象のボールが不在です。
  ある意味で静止状態であり、本当の欠点を見出すことは出来ません。
  次いでビデオでしょうか? ただ、これも使い方を間違えれば意味がありません。
  選手からフォームをビデオに撮ったので見て欲しい。
  それで見る前に一つ質問しました。
  そのビデオは試合中のものかそうでないか?
  答えは球出しによるフォーム撮影でした。
  私の答えは見ても意味がないでした。
  何故なら、球出しであれば考えられる最高のフォームで打っているはずです。
  それをチェックしても修正の解決にはならないのです。
  どうしてもと言うので見ましたが、結果は思っていた通りでした。
  コメントは、これを試合にそのまま出せたら、
  今の成績は過去の物になると告げました。


09/5/2
   今後を考え、試行錯誤を続けているうちに発行日を過ぎてしまいました。
  申し訳ないです。慌てずゆっくり考えながら進めたいと思っております。
  どこかにヒントを得て頂ければそれだけで満足です。
  今後とも、よろしくご指導。ご支援下さるようお願いいたします。

   <250号の発行に際して>

   発行する度に、もう限界ではないか?
  話は尽きたのではないかと思いながら続けています。
  多くの読者に恵まれて、少しでもテニスに興味を持ち続けて頂きたいと思います。

   メルマガというチャンスに恵まれている現状から、
  それを利用できるチャンスを与えられたことに無上の喜びを感じています。
  未だ面談なき多くの方にお礼を申しあげたいです。

   今までに何度と無く書きましたが、
  私のテニスに対する基本はすべて「福田雅之助先生」にあります。
  素人の、私の質問にも丁寧に教えて頂いたことは忘れられません。

   いま、後輩を見ながらそれをいつも思い、口頭やメールで伝えています。
  熱が籠り過ぎて辟易している後輩もいるかと思いますが、
  過剰にならないように気遣っています。

   試合は連絡があると殆ど観戦しますが、勝敗より試合態度に目をつけるため、
  清々しい試合をした選手には惜しみない拍手を送ります。それが私の基本だからです。

   勿論、強くなって欲しいですが、それ以上に人間的な成長に期待しています。
  精神的に強い人間に育って欲しいと熱望します。
  だからこそ、よき敗者たれと言いたいのです。

   努力するのも自分のためです。勝敗も含めてすべて自分に係るのです。
  日本のため、クラブのため、学校のためにプレーしているのではないことを
  充分に認識して欲しいです。

   それが、勝敗とつながるのは結果としてそうなるのであり、
  最初からお膳立てが出来ているわけではないのです。
  その結果を、自分の目標に合致させるために努力するのです。

   だからと言って、努力とは無闇と練習するのではありません。
  どのような練習でも、その目標は何かを自分に問い掛けなければいけません。
  答えを出してから進めることです。

   目標の無い練習は全く意味が無いのです。
  意味のない練習はいくら続けても成果はありません。
  単なる自己満足であり、疲労感が残るだけです。
  それこそ大いなる無駄になるのです。

   先日久しぶりに後輩の試合を観戦しました。
  身びいきではなく後輩が技術的にも優勢と思っていました。
  しかし、結果は実力を発揮しないままの逆転負けでした。

   後輩は、良い意味でのオールラウンダーで、
  相手はフォアハンドに絶対的な自信を持つプレーヤーでした。
  結局、相手のバックを徹底的に攻撃する余裕も無く敗戦したのです。

   最後には、バックへの攻撃も回り込まれてしまったのです。
  相手の優位のまま試合をして勝てるわけがありません。
  この場合は余程の力の差がないと勝てません。

   フォアやバックいずれにしても、自信を持って打ち込んでくる相手の特徴は、
  フォームが固定していることです。
  これは打球ポイントを自分のものにしていることを示します。

   このような相手の、打球ポイントにボールを運べば
  相手の優位は変わりようが無いのです。単純な打開策は相手を動かすことです。
  後輩にはその力量があったにも係らず使えなかったのです。

   相手への対応範囲は、
  打球点から実力にあった返球範囲の中央点に位置することです。
  これはテニスに置ける鉄則です。そこへ如何に素早く自分を位置できるかなのです。

   これを単純に行うにはセンターへの打球です。
  そうすれば何処を攻められても最短距離でボールに到達出来るのです。
  このパターンを崩すにはショートクロスしかありません。

   ただし、このショートクロスを決め球にしてはいけないのです。
  あくまでも、相手を動かすことで固定しているフォームを崩すのが目的です。
  そこに勝機があるのです。

   このように、いつも考えておかなければならないのは、
  どのように決めるかではなく、
  相手を走らせた上で打球させる不安定なフォームにさせることなのです。

   これを地道に続ければ、
  相手は自分を見失い自滅することは目に見えているのです。
  しかし、ストローク戦略を身につけていたとするなら、
  それこそ手ごわい相手となるのです。

   後輩の相手は、それほど柔軟な相手ではなかったのですが、
  ショートクロスが打てなかったばかりに、何の心配もなく打球させ
  それに振り回されたと言うのが敗戦で与えられた実感だったようです。

   これらは、試合が始まってからでは無理なのです。
  いつも自分のスタイルはどうなのか?
  勝利するためにはどうあるべきなにか?
  をいつも考えておかなければ駄目です。

   試合で大事なことはメンタルな面です。
  テクニカルな面は練習で培われますが、メンタルな面は試合や練習だけではなく、
  イメージトレーニングが特に重要となるのです。

   このイメージトレーニングは何処でも可能です。
  相手を思い巡らせながら、自分の作戦がどうだったのか?
  戦略や戦術が適切だったかどうか頭の中だからこそ修復が出来るのです。

   試合の後を振り返ることも大事ですが、
  イメージトレーニングで大事なのは、次の試合に望む前に自分の考えを纏めることです。
  勿論その通りに出来るものではありません。

   しかし、考えることで試合に集中することが出来るのです。
  作戦は千変万化です。相手があるだけに、自分だけの考えは当然ながら限界があります。
  それに打ち勝つことが大事なのです。


   <今月の言葉>

  □ 注目されたから入るわけではない。あくことのない練習しかない。

                               ゴルファー  ウッズ

  □ 目標には具体的な数値を挙げることにしています。

  □ スイングはいつも新しいものを模索している。
      スイングの完成はあり得ないと思っています。

                               ゴルファー  石川 遼


09/4/15
   <片山晋呉の快挙・・・マスターズ4位>

   4位と言っても、1位プレーオフ3名に続くものですから、
  その価値は計り知れないものがあります。
  しかも、その差は僅かに「2」ですから見事な活躍です。

   この快挙に、心から祝福したいと思います。
  いつも日本人離れしたプレースタイルに「え?」と思うこともありますが、
  今回だけは微笑ましく見ていました。

   何はともあれ、世界の強豪に臆することなく、
  立ち向かった心意気は素晴らしいと評価すべきでしょう。
  それは、自分のスタイルを貫いた勇気ではないでしょうか?

   4日間の戦いは、苦闘と表現されても言い過ぎではないでしょう。
  勿論、挑戦者としての気楽さは、
  トップランカーが位置を確保する立場とはプレッシャーは違うでしょう。

   本人が、終了後「最高のゴルフだった」とコメントしましたが、
  本当の気持ちは「惜しかったな」との思いと、
  次回マスターズでの活躍を考えていると思われます。

   片山の陰に隠れましたが、
  今田竜二のアンダーパーの成績も見事と言うしかないものです。
  プレースタイルも淡々としており、平常心そのものという感じでした。

   これは、片山がトップを追走している中で、
  自分を見失うことなくプレーした結果ではないでしょうか?
  どのような場合でも自分を見失わないことです。

   石川遼が「自分の練習の質の悪さ、甘さに気づかされた」のが
  教訓だったと述べていますが、
  そこまで自分を追い込むことは無いと思われます。

   プロに年齢差はありません。
  しかし、現実に年齢差は経験差を意味するものでもあるのです。
  石川の今までの経緯を考えると、更なる成長を期待したいものです。

   今回のコメントを読んでも、その内容にはより一層自分に厳しいものが顕著です。
  しかし、それだけでスポーツマンが成長するものではないのです。

   人間的な成長が、スポーツ界で生き延びる支えになるのは当然ですから、
  自分の力がどのような心理状況の中で、力を充分に発揮出来るのかを知るべきなのです。

   優勝したのは39歳のカブレラです。
  彼が全米で初優勝した時のコメントは「自分だって優勝できるんだ」です。
  確かに参加者すべてにその権利はあるのです。

   さて、そのような中で錦織の戦線離脱が報じられました。
  しかし、これすら遅かったのではないかと将来的には危惧してます。
  スポーツ選手の大敵は「古傷」です。

   大成すべき選手が、その志を途中で挫折せざるを得ない状態は、
  悔やんでも悔やみきれないものがあります。
  試合に出場したいと考えるのは選手として当然なのです。

   それを庇護すべきなのが周囲なのです。「古傷」を生じせしめる原因は、
  絶え間ないハードな練習とそれ以上に過酷なスケジュールだと思われます。

   素晴らしい身体能力を持つ錦織は、簡単に養成できるものではありません。
  この休養中に、メンタル面の強化を図るようにすることで早い復帰を期待したいです。

   新聞の片隅に掲載されたこの記事に、若干の安堵を憶えたものです。
  プロとは何かを、いろいろな角度から見つめ直して欲しいと思っています。

   いままで何度も書いてきましたが、
  プロの極意は「未だ木鶏足りえず」の心境に尽きると思われます。
  テニス界での模範選手はフェデラーだと思います。


   <今月の言葉>

 □ 自分と向き合い強くなれ。

 □ 夢に日付を入れることで、より具体的になる。

 □ その解決にどうするかを考えること。

 □ 自分の弱さと正面から向き合うこと。

 □ 選手だけではなく、指導してきた自分も反省が必要である。

 □ 自分の弱さを克服できるのは自分しかいない。

                   女子柔道   柳沢監督


09/4/1
   <要らぬことかも・・・>

   現役の時代、応援していただけに伊達の復帰には疑問があり、
  心からお祝いする気持ちにはなれません。
  それより、何故今更と言う気持ちのほうが強いです。

   現役時代、女子世界ランキング4位を記録していたのに、
  何故復帰したのでしょうか?
  当時はあのまま、現役を続けられなかったと聞いています。

   現役の頃、トップへの挑戦が不可能と知ったから自ら引いたのではないかと
  思われますが、今回の復帰はどのような目標を持って復帰したのでしょう。

   安易な考えでチャレンジするのは、
  毎日懸命に努力している選手に良い結果は生まれないと思われます。
  プロは、生活の安定の中に求めるものではないと思われます。

   思い起こせば、伊達のスタイルは決して華麗ではありませんでした。
  着実に足元を固めて、階段を登るような歩みに共感を覚えたものです。
  それだけの力があったのです。

   高校時代の猛練習に、懸命に耐えただけに
  メンタル面での力強さも持ち合わせていたようです。
  プレーの上からしか知らない伊達の良さでした。

   ともかく、テニスそのものがステディという感じでした。
  私の後輩達への指導もそのスタイルを踏襲していました。
  いまでも頭の中でスタイルを思い浮かべます。

   日本人が、体力的に勝る外国人に対抗できるのは、
  これしかないとそのスタイルに惚れこんでいました。
  それほどの伊達が若くしての引退宣言はショックでした。

   ただ、当時巷間伝えられていたテニス協会との確執に、
  それも一因と思われていただけに、半ば納得させられたように感じていました。

   その後、伊達がキッズテニス教室を始めたと聞いた時は、
  思わずその決断に感激したものです。
  まさか、それは卒業したと言うことではないことを祈ります。

   人を育てるのは至難です。それは、基本に自分をベースにはしても、
  更に高めを目標にするのは当然だからです。
  自分と同レベルでは育てたことになりません。

   その時の伊達と復帰した時の気持ちに、ギャップがあるように思えて仕方が無いのです。
  ご主人が伊達に復帰したらと言ったことがきっかけでしょうか。

   ある面では国民性の違いかもしれません。
  滅私奉公を求めがちな日本人にとって、自分の一生は個人のものと考える違いでしょうか?
  いずれが妥当かは個人の問題です。

   伊達が好きだっただけに、キッズテニスで後進の指導に向かった姿勢を
  自分なりに評価してました。今回の復帰は、全面的に応援する気持ちになれません。

   自分の趣味とするなら、プロで無くともアマチュアで良いじゃないですか?
  いまの力では、世界の実力に遠く及ばないと思われます。
  それよりキッズテニスを再開して欲しいです。

   自分の分身のように、自分を上回る選手を育てる喜びは嬉しいものがあります。
  ボロボロになって復帰しても、それを歓迎してくれる人はいないでしょう。

   サッカー協会の幹事も辞めて、テニス協会の幹部になり、
  テニスのレベルを更に高めて欲しいものです。それでこそ伊達ではないかと思います。


   <アーノルドパーマー・インビテーショナル。ゴルフ>

   ウッズが復帰後の初優勝でした。それこそ「耐えるゴルフ」を見せてもらいました。
  見事の一言で言い表せるゴルフでした。ウッズは将に天才ですね。

   この試合で、今田竜二がスタートは「−1」で三位だったのに、
 最終的には「+2」で18位は残念な成績でした。
  それ以上に感じたのはプレースタイルです。

   最終16番でダブルボギーとなり、これで脱落したわけですが、
  失敗に際してあれほどまでの態度を見せては駄目です。
  タイガーの我慢強い姿勢を見ると恥ずかしいです。

   上位で競い合うプレッシャーは、とてつもないものだと思います。
  そこで一踏ん張りすることが大事なのです。あっさり集中力が切れるようでは残れません。

   オヘアが続けたトップの場を、最終ホールの16番で逆転されたのは、
  酷いショックだろうと思いますが、最後まで冷静に淡々とこなしていました。

   タイガーの「耐える」姿勢は、あらゆるところで見せられました。
  ボールを投げたり、クラブを投げたりする姿は最後までなかったです。
  それだけ集中しているのでしょう。

   TV放映が多いプロの世界で、このような態度はすべて映像として放映されるのです。
  見ていて感じは良くなく、瞬間感じるのは集中力が切れたなと言う思いです。


   <今月の言葉>

  □ たった一つの雑なプレーで、いままでが台無しになる。

  □ 自分はまだまだ下手だ。

  □ 休むと元へ戻すのに時間が掛かる。

  □ 負けたショックより、世界との差があることにショック

  □ 過去は変えられないが、未来は変えられる。

  □ とにかく練習あるのみ。

  □ 基本練習を淡々と繰り返す。

  □ ネガティブに考え出したらキリがない。

  □ やる前に諦めては絶対勝てない。

  □ 自分を信じるしかない。サッカーが好きだ。

  □ 見えないところで努力しなければ、プロにはなれない。

              サッカー選手    中澤 佑二

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